太陽光を鏡で反射させたとき、光はどんなふうに広がるか?  
 
   
解説その4
 
 
太陽は地球から遠くはなれたはるかかなた(無限遠という)にあります。無限遠にある太陽上の1点からやってくる光は、鏡にあたるとき、それぞれ平行な光(平行光線という)として入ってきます。この光が鏡にあたってはねかえると・・・・・
 
       
   
   
図をクリックすると大きな図が出ます
 
 


太陽の右端から来た光は鏡で反射して、図左下のオレンジ色の鏡の形をした光の束になります。
太陽の左端から来た光は鏡で反射して、図左下の水色の鏡の形をした光の束になります。
太陽の中心から来た光は鏡で反射して、図左下の灰色の鏡の形をした光の束になります。

1)鏡で反射された太陽の光は、鏡の近くでは、ほぼ鏡の形に見えます。
2) 反射光が鏡から少しはなれると、太陽の各部分からの光は、入射光とは対象の方向に進んでいき、それぞれの方向に広がり始めます。角を丸くした鏡の形に見えます。
3)反射光が鏡から十分はなれると、 大きく広がって全体としては丸くなり、太陽の形と同じように見え始めます。
一番左下の図では、太陽の縁にある2点から来た光が鏡で反射して緑とピンクの光の束になった様子も加えてみました。こんなふうに、反射光が鏡から遠ざかり光の広がりが大きくなるにつれて、太陽上の各点からの光はお互いの重なり合いが減って、鏡に入ってきた方向によりそれぞれの光の束に分かれていきます。 丸い太陽から届いた光は丸い形に広がるわけです。

(大きさのある物体から来た光は、鏡で反射されると、鏡がどんな形をしているかに関係なく、元々の物体の形なろうとしながらひろがっていく、面白い性質を持っています。)

 
       
  ◆太陽からの光を鏡で反射させると分かる光の性質  
   (1)光の反射のしくみ−光が鏡に入る角度と出ていく角度は同じになる
 (2)はるか遠く(無限遠)にある物体の1点からやってくる光は鏡に平行に入る(平行光線という)
 (3)反射してできる光の形を調べると、鏡のすぐ近くでは(四角い)鏡の形をしている。鏡からの距離を変え、だんだん遠くしていくと(四角の)角が丸くなりだんだん大きく広がっていく。あるところまで広がると光は鏡の形に関係なく丸く(太陽の形に)なる。
 
       
  ◆平行光線    
   車や電車に乗って、あるスピードでまっすぐに走っていると、まわりの景色はどんどん後ろへと動いていきます。
近いところにあるものほど速いスピードで動いているように見えます。ところが、空に月や太陽が見えるとき、車や電車が動いても、月や太陽はずっと同じ方向に見えていて、まるで月や太陽が私達を追いかけてくるように感じたことはありませんか?この現象もはるかかなたにある月や太陽からの光が平行光線として私達に(地球に)届いていることから起こっています。
 
       
   
図と解説: 熊本県民天文台(艶島)